カテゴリ:断食道場体験『太光寺』( 1 )

断食道場体験 広島『太光寺』

実は、私め、先週末、生まれて始めての断食道場体験をさせていただきました。
その道場での様子を私の独断と偏見にてご報告させて頂きます。

この度の断食道場へのいきさつは、友人から頂いたフラメンコの一枚のチケット
から始まったのである。
お寺でフラメンコが開催されるという事に惹かれた私は、友人と共にこちらの
お寺に伺った。
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こんな近くに、270度広島市内が一望できる絶景の場所にある事に
まずは、驚いた。

元々行者山城跡があった場所であり、行者さんが、ここで修行
されていた場所だという。
が、しかし、今や、北側にはバイパスが通り、尾根が寸断され、独立した小山の
ようになっている。
その山を国泰寺さんが切り開き、立派な建物が出来ていたのだが、
その場所に、数年前に墓苑と天台宗のお寺『慈学院、太光寺』太光寺
ができた。

まず本堂にご挨拶をと上がってみると、コンクリートで作られた、
何とも、今までの私の概念とはまるで違った新しい雰囲気の本堂であった。
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お参りして、隣の会場に向かっていると、数名のお坊さん達が、
2階の廊下を回遊しながら、来場者に向って手を合わせお辞儀を
されている様子が目に入った。目と目が合い、何だか嬉しくなって
しまう。久しぶりに本物の(?)お坊さんに出会ったような気がする。
そんな清々しい気持ちになったのである。


今まで、教会や神社にはご縁はあったものの、私自身
お寺には殆どご縁らしきご縁はなかった。
(といっても、我が家は、しっかり浄土真宗で、お墓参りも、葬式も仏教で..)
友人から、ダイエット目的での(主催者側の意図は違うのだが..)
断食に誘われ、最初は気軽にオッケーしたはいいのだが、どんどん
テンションが下がってくる。
朝早く起きるんでしょ!正座するんでしょ!長いお経でしょ!..等等
段々気が重くなってくる。

相棒に、問いかける。「ねえ〜天気が良かったら何処かへドライブ行く?
」ところが、天気予報はしっかり雨。
週末は、一日事務所にいるという。まあ、家にいるぐらいなら、行くか〜〜。
スケジュール表を見ると、2日目の昼間は午後4時間ぐらいはフリータイムに
なっているではないか。じゃあ、その間は家に帰る事にしましょ。
(何しろ、我が家から車で15分の場所)
そんな気軽な(?)思いで参加する事になった。
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『第一日目(金)』
PM8:00 私は、少し遅れて参加。
『無村塾』という異業種交流会に参加するのだという。
約20名あまりの始めての方々の中、目の前にお菓子の箱がパッケージ
されて並ぶ、でも、断食メンバーは食べられない。

この日のテーマは『本音と建前』
なんとも、難しいというか、面白くなさそうというか、どんな内容になるの
だろうと、ドキドキしながら見ていると、それぞれの方々の意見がとても
興味深い。
結局、我々は生きている中で、建前はいるものらしい。というのが、殆どの
人の意見であった。

その中で、ひとり20歳の純粋な若者の一言に心が洗われる気がした。
「建前っているんですか?」


我々の宿泊の場所は和氣殿という、1階がイベントスペースになっており、
2階が宿泊施設となっているものである。

2階の中心には約4部屋があり、その中心に、お風呂場(循環型風呂)や洗面、便所、
キッチンがあり、四方は回廊のようになり、外部が見渡せるようになっている。
南面には、ミーティングできるスペースや数台の机が配置されている。
この机は、登校拒否の子供達や、研修、合宿等の為に利用できるように用意されて
いるという。

この度の断食道場の受講者は6名、女性は我々2名のみである。
15〜6畳でもあったであろうか、広い部屋に、2セットの布団が用意されていた。
早速、きれいに洗濯されたシーツをセットし、男性の後に、お風呂に入った。
お寺というよりも、どこかの温泉宿にでも来た気分である。
明日の朝は5時半起床だというのに、興奮しているせいか、なかなか眠れなかった。

『第2日目 土』
朝、遠くからポクポクと木魚の音が聞こえてきた。段々近づいてくる。
夢の中から現実のものへ...。どうも朝の起床の合図のようである。
携帯のアラームが突然鳴り始めた。一体、私は、何時間寝れたのだろう?
もうろうとしている身体を起こし、急いで支度をし、本堂に向かった。

生憎の雨である。4月だというのに、まるで真冬のような寒さ。
いきなり身が引き締まる。

3名のお坊さんと住職での勤行が始まった。私たちにはこの為に前もって
朝と夕方用の教典が手渡されていた。
この順番に沿って、お経が始まる。教典のひらがなを追いながら、一緒に
声を出す。

その後、本堂作務という本堂の拭き掃除が始まった。
みんな並んでぞうきん掛けである。
一体ぞうきん掛けって何十年振りなのだろう?小学校以来だろうか?

華麗に走る(?)男性陣の後で、いざ、ぞうきん掛け!「いざ出陣!」
...あれ???
前に進まない〜〜!!
数歩前に行ったと思うと、コテッ?? なんで〜〜??

結局、我々女性陣のみ、膝小僧ついてのノタノタぞうきん掛けとなってしまった。

情けないかな、この作業って肩も、足腰もしっかり鍛えてないとできないものらしい。
痛くなった膝小僧を抱えながら、「次回は、絶対膝のサポーター持ってこよう!」
(上手になろうと思わなかった所がいかにも私らしいのだが...)

今の子供達って、ぞうきん掛けってするの?ふとそう思った。

その後、食堂に移動し、朝食である。(小食)と書いている。断食の時の食事は...?
ああ〜〜缶入り野菜ジュースね。。この食べ物に感謝の祈りをしながら頂くのである。
このジュースがやけに美味しく感じる。

その後は、「写経」タイム。私にとっては、2度目の体験である。
1度目は、京都の苔寺であった。
苔寺の庭を見るためには、写経をしないと見学できなかったからである。
その時は、早く庭を見たい一心で、急いで書いた。もちろん、ひどい有様。
とても人様に見せれる字では無かった。その反省から、今回は丁寧に一字一字
書いてみよう。
義母が昔、何年もかけて般若心経を書で描き、掛け軸に仕上げた時の事を思った。

が、しかし、普段PCに依存している私にとっては、筆ペンでの作業は、全くの異次元
である。
後で、この写経が、永久にこのお寺に保存される事を知り、またしても絶句!
(あ〜〜、これって末代まで残るのね〜見ないで〜!)

さて、道場には必須の座禅(止観)である。座禅というと、広い本堂で、
正座して、バシッ!を想像していたのだが、どうも勝手が違うようである。

本堂の脇の建物の奥の座禅専用の部屋に我々は入った。ひとりひとり順番に真っ正面
の不動明王にご挨拶をし、両サイドに用意された場所に座る。
楽な姿勢でいい。
真っ暗な中、バシッ!は無く、約30分間半眼瞑想する。
が、しかし、、途中から殆ど意識無し。
だって、蝋燭の光りだけで、真っ暗なんだもの〜〜!どうも、その状態は、私だけでは
なかったようだ。お互い慰める。
まあ、それも良しという事で...。

クライマックスの護摩供に向かった。
護摩をされる場所は、墓苑の北側にある、壁天ガラス張りのまるで温室のような
場所である。
その中心に儀式の為の台座が用意されている。
ガラス越しの外には、雨の中に佇む不動明王。

さぞかし冬寒く、夏暑い事だろうと、しっかり持ってきた洋服を着込んで参加した。
今まで数回、この護摩炊きを見た事があるが、殆ど遠くでされている様子を見る
場面が多かった。

こんな風に、目の前で一部始終見れる事はなかなか出来る事ではないだろう。
台上に座られ、護摩が始まる。護摩
先程、ひとり5枚の札に願いを書き、手渡したお札が一枚一枚確認しながら、
火の中に積み重ねられる。
凄い〜!どうも、決められたものがあるようである。
「作法」という言葉が浮かんでくる。 無駄のない、きれいで、豪快、そして、
火の心とその作法が一体となっている気がした。

護摩で炊かれた火は、透明で、その炎を見ていると不思議と癒される。
人の根源において、火は共にあるものなのかもしれないと思う。


ゲストがいるいないに関わらず、こちらのお寺では、毎日欠かさず、護摩供を
されているのだという。

午後からの自由時間、友人は陶芸教室に向い、私は自宅に一旦帰った。
昼寝をする予定が、いざ、ベッドに入っても目が冴えてしまい、そのまま時間だけが
経ってしまった。寒い雨の為の衣服をしっかり抱え、夕方の勤行、座禅、座談会を終え、
2日目が終わった。が、しかし、その夜。眠れない!どうもお腹が空きすぎているから
らしい。
どうしよ〜〜厨房まで行って紅茶をがぶ飲みして、布団に入った。

3日目の朝、7:30〜我々はお寺から6km離れた平和公園まで歩いて向かう事になって
いた。
朝には、昨夜までの雨も上がり、一気に温度も上がっていた。
実は、前日から私なりに悶々と考えていた事があった。
この朝の歩行の際、いつもの日課であるゴミ拾いをしたものかどうか、考えあぐねて
いたのである。

昨夜の座談会の時の住職の話しの中に出て来た、「誰の目を気にする事ではなく、自分が
思うようにすればいい、」その言葉で踏ん切りがついた。
私は、何処を見ていたのだろう。私は、私なのである。

火箸を抱え、軍手を持っている姿を見て、ひとりのお坊さんが「何するの?
ゴミ拾い? ふ〜ん」ただ、その一言。そして、みんな、それぞれが、自分のペースで
歩くだけなのである。何とも凄い方々である。悶々と考えていた自分が何と小さい事でしょ。 
一緒に話しながら、ゴミを拾ってくださる方、ちゃんとお祈りの時間に間に合うように
急がれる方、ゆったりとしたペースで、身体を労りながら、歩かれる方。それぞれである。
いつの間にか、メンバーの方々とも、沢山のお話しは無くても思いは同じ、そんな気が
してきていた。

私にしては、始めての道路のゴミ拾いの遠征である。
いつものコースから離れてみると、その町町で、ゴミの在り方が違う事に気がついた。
そこに住む人々の思いや、営みがここに出てきている、そんな気がした。

思ったより手間取い、それでもギリギリ8:15分、供養塔の前でのお祈りに間に合った。
鐘の音を合図に、我々は、一緒にお祈りし、また、帰路へと歩いた。
往復12Kmの道のり、お寺の階段の息を切りながら、やっと辿り着いた。
そして、待ちに待った朝食(何と、話題にあった、ゴーヤジュースの登場)を終え、
その後の護摩供、しっかり足が痙攣...。。。。

それにしても、毎日、この日課を続けておられるお坊さん達。あ〜〜今世、修行僧で
なくて良かったな〜。軟弱な私は、つくづくそう思う。
じゃあ、何が今の私にできるのか???  う〜ん??さてさて...。

毎年、8.6には、こちらでは前夜の8時から、あの被爆の瞬間の8.15までの12時間の間
ず〜と護摩法要をされているという。
もし、その時の時間を止める事ができるなら..。そんな祈りの時間なのかもしれない。


今までの慰霊の祈りから、未来への希望、夢をこの広島から発信できる祈りへ、
そんな輪が繋がっていける。そんな気がした。

沢山の出会いに、感謝。
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PS.
断食道場を無事卒業して、数時間後、ハイテンションになった私は、相棒と友だち
をさそって、花見に同じ場所に繰り出した。
で、....結局、2日間の断食した結果、2Kg減したのだが.....しかし...(トホホ)
断食の後は、くれぐれも、お気をつけくださいませ♪
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by necowash | 2009-04-08 15:15 | 断食道場体験『太光寺』